科学的エビデンスが明かす「長期的に一番太る食べ物・飲み物」とは?

 「体に良さそうだから」と毎日飲んでいるその飲み物、実は長期的な体重増加の原因かもしれません。本記事では、数十万人規模の長期間にわたる追跡調査など、医学論文に基づき、何を摂取すると最も太るのか、そして意外と太りやすい飲み物について解説します。

1. 長期的に見て「一番太る食べ物」第1位はポテトチップス

ハーバード大学のMozaffarian氏らが2011年に『The New England Journal of Medicine』で発表した12万人以上を対象とした20年間の追跡調査によると、4年間ごとの体重増加に最も悪影響を与えていた食品の第1位は「ポテトチップス」でした。

【体重増加と関連が強かった食品ランキング(4年間での体重増加量)】

  • 1位:ポテトチップス(+1.69 lb / 約0.77 kg)
  • 2位:じゃがいも類(+1.28 lb / 約0.58 kg)
  • 3位:加糖飲料(砂糖入り飲料)(+1.00 lb / 約0.45 kg)
  • 4位:未加工の赤身肉(+0.95 lb / 約0.43 kg)
  • 5位:加工肉(+0.93 lb / 約0.42 kg)

ポテトチップスやフライドポテトなどは、血糖値を急激に上昇させやすく満腹感を得にくいため、結果的に過食を招きやすいことが指摘されています。

2. 「ポテトチップス」vs「全く同じ比率の成分」の比較(ラットの脳MRI研究)

太る原因は、「ポテトチップスそのもの」なのか?それとも「ポテトチップスの栄養成分だけを抽出したもの」なのか?それを比較した2013年に米国化学会(ACS)の研究があります。

ラットを以下の群に分けて、摂食行動と脳の報酬系をMRIで観察しました。

  1. 本物のポテトチップスを与えた群
  2. ポテトチップスと完全に同じ比率の脂肪と炭水化物の混合物(成分のみ)を与えた群

結果: 
カロリーもPFCバランスも(成分上は)全く同じであるにもかかわらず、「本物のポテトチップス」を食べたラットの方が圧倒的に多く過食し、脳の報酬系(快楽中枢)が異常に強く活性化していました。 これは、脂肪と炭水化物という「成分」のカロリーだけでは説明がつかず、ポテチ特有の食感(クランチ感)や塩分、風味の絶妙なバランスが脳をマイルドドラッグ状態にし、満腹中枢を麻痺させるヘドニック・イーティング(快楽的摂食)を引き起こすことを示しています。

3. 乳酸菌飲料なら健康?実は危険な加糖飲料(SSBs)

上記のランキングで3位に入っている加糖飲料(Sugar-Sweetened Beverages: SSBs)。ここには、コーラなどの炭酸飲料だけでなく、市販no甘い乳酸菌飲料やスポーツドリンクも含まれます。

腸内環境に良いというイメージから、毎日水代わりに甘い乳酸菌飲料を飲んでいる方は要注意です。
トロント大学やハーバード大学の研究チームによる大規模なメタ解析でも、加糖飲料(SSBs)の摂取は、子供から大人まで一貫して長期的な体重増加およびBMIの上昇を促進することが明確に示されています。

乳酸菌飲料の多くには異性化糖(果糖ぶどう糖液糖など)が大量に含まれており、液体であるため急激に吸収され、脂肪として蓄積されやすいという特徴があります。

4. 逆に「一番太りにくい(痩せる)食べ物」は無糖のヨーグルト

一方で、前述のハーバード大学の研究において、最も体重増加を防ぐ効果が高かった食品の第1位は「ヨーグルト」(-0.82 lb / 約-0.37 kg)でした。

同じ乳酸菌を摂る場合でも、大量の砂糖が溶け込んだ「乳酸菌飲料」ではなく、良質なタンパク質を含み、砂糖が添加されていない「無糖ヨーグルト」を選ぶことが、長期的な体重管理において極めて重要です。

結論 美しい体型を長期的に維持するためには、日々の食習慣が鍵となります。ポテトチップスや甘い乳酸菌飲料を控え、無糖のヨーグルトやナッツ、全粒穀物などを日常的に選ぶようにしましょう。

参考文献

  • ポテトチップスやヨーグルトと体重増減の関連(Mozaffarian氏らの研究) Mozaffarian D, et al. “Changes in diet and lifestyle and long-term weight gain in women and men.” The New England Journal of Medicine. 2011.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21696306/
  • 加糖飲料(SSBs)と体重増加に関するシステマティックレビュー・メタ解析 Malik VS, et al. “Sugar-sweetened beverages and weight gain in children and adults: a systematic review and meta-analysis.” The American Journal of Clinical Nutrition. 2013. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23966427/
  • 脂肪と炭水化物を同じ比率で混合した成分のみの餌と実際のポテトチップスの比較 American Chemical Society (ACS),Revealing the scientific secrets of why people can’t stop after eating one potato chip, 2013https://www.sciencedaily.com/releases/2013/04/130411194252.htm

よくある質問(Q&A)

Q
カロリーや栄養素(脂質や糖質)が同じなら、何を食べても太りやすさは同じですか? 
A

いいえ、大きく異なります。ラットを用いた脳MRI研究では、カロリーや栄養成分が全く同じでも、「成分だけのもの」より「本物のポテトチップス」を食べたラットの方が圧倒的に過食してしまうことが分かっています。食感(クランチ感)や塩分の絶妙なバランスが脳の快楽中枢を刺激し、満腹感を麻痺させてしまう(ヘドニック・イーティング)ためです。

Q
腸内環境のために毎日「乳酸菌飲料」を飲んでいますが、太る原因になりますか?
A

市販の甘い乳酸菌飲料の多くは「加糖飲料」に分類され、太る原因になりやすいため注意が必要です。健康的なイメージがありますが、実際には異性化糖(果糖ぶどう糖液糖など)が大量に含まれている製品も少なくありません。液体状の糖分は体内に急激に吸収され、ダイレクトに脂肪として蓄積されやすい特徴があります。

Q
乳酸菌を摂りつつ体型維持をするには、何を選べばいいですか? 
A

「無糖のヨーグルト」が最もおすすめです。ハーバード大学の長期的な追跡調査において、体重増加を防ぐ効果が最も高かった食品の第1位がヨーグルトでした。砂糖が添加されていない無糖タイプを選ぶことで、良質なタンパク質と乳酸菌を健康的に摂取でき、長期的な体型管理に役立ちます。

Q
長期的に見て、最も体重を増やしてしまう食べ物は何ですか?
A

12万人以上を対象とした大規模な調査によると、体重増加に最も悪影響を与えていた食品の第1位は「ポテトチップス」、第2位は「じゃがいも類(フライドポテトなど)」、第3位が「加糖飲料」でした。これらは血糖値を急激に上昇させ、結果的に食べ過ぎを招きやすい食品の代表格です。

この記事を書いた人

吉田 有希(Yuuki Yoshida) 形成外科専門医 / 美容外科(JSAPS)専門医
THE CLINIC 東京院 / BUST CLINIC / 埼玉医科大学 形成外科・美容外科

【経歴・人物】 日本専門医機構認定形成外科専門医。 現在はTHE CLINIC Tokyoにて、脂肪吸引・脂肪注入を中心としたボディデザイン診療を行う。

医師として臨床現場に立つ傍ら、「医学的に正確で、患者様が理解しやすい医療コンテンツ」の不足に課題を感じ、曖昧なネット情報に惑わされる患者様を減らすため、医学論文(一次情報)に基づいたエビデンスベースの発信を徹底している。

【保有資格・所属学会】

  • 日本専門医機構認定 形成外科専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)専門医
  • VASER認定医

【専門分野】

  • 形成外科全般
  • 脂肪吸引・脂肪注入(豊胸・エイジングケア)
  • 医療ダイエット・肥満症治療管理
  • 医療論文解説

▶︎無料カウンセリングはこちらから

吉田診察希望の方は、その他欄に「吉田希望」とお書きください。

無料カウンセリング予約|豊胸・脂肪吸引・エイジング治療のTHE CLINIC (ザクリニック)【公式】
THE CLINIC (ザクリニック)のご予約はこちらから。特に脂肪吸引や豊胸手術、美容整形の失敗修正についてお悩みなら、ぜひご相談ください。美容外科医がじっくりとお話を伺い、具体的なご提案をします。
THE CLINIC 予約フォーム

コメント