【医師解説】「脂肪吸引は死亡事故が多い」は誤解?世界的な統計データから見る本当のリスクと安全性

「脂肪吸引」と検索すると、「死亡」「事故」といった怖いワードが出てきて不安になる方も多いのではないでしょうか。 しかし、現代の脂肪吸引は、適切な医療機関・熟練した医師が行う限り、極めて安全性の高い手術です。

今回は、世界的な統計データ(エビデンス)に基づき、脂肪吸引の「本当のリスク」について、形成外科専門医の視点から解説します。

1. 脂肪吸引は世界で最も選ばれている美容整形手術

実は、脂肪吸引は一部の人が受ける危険な手術ではなく、「世界で最も行われている美容外科手術」です。

国際美容外科学会(ISAPS)の2021年調査報告[1]によれば、
世界で行われた美容外科手術の中で「脂肪吸引」が第1位(年間190万件以上)を記録しました。

前年比で24.8%も増加しており、世界中でその安全と効果が支持されています。
特にCOVID-19のコロナ禍による「コロナ太り」で世界的な施術数は増加しました。
日本国内でも、小顔治療(顔の脂肪吸引)やボディメイクの需要急増に伴い、
毎日多くの患者様がこの手術を受けています。

これほど多くの人が受けている手術が、もし本当に危険だらけだとしたら、ここまで普及するでしょうか?

2. 脂肪吸引の死亡率は「0.019%」以下(最新データ)

皆さんが最も気にする「死亡事故」の確率について、医学論文のデータを見てみましょう。

以前(2000年)の古いデータでは、死亡率は10万人あたり19人(約0.019%)とされていました[2]。
しかし、技術が進歩した現代ではさらに安全性が高まっています。2017年に発表された大規模調査(Aesthetic Surgery Journal)[3]によると、脂肪吸引単独での死亡率は極めて低く、他の外科手術(盲腸や帝王切開など)と比較しても遜色のない、あるいはそれ以上に安全な水準であると報告されています。

なぜ「怖い」イメージがあるのか?

それは「飛行機事故」と同じ理屈です。 飛行機は統計上、自動車よりもはるかに安全な乗り物ですが、ひとたび事故が起きると大々的にニュースになります。美容医療も同様で、年間何万件も行われている「安全な手術」はニュースになりませんが、ごく稀に起きる、無茶な管理体制で行われた事故だけが報道されるため、恐怖心が先行してしまうのです。

3. 「安全な脂肪吸引」を受けるために必要なこと

もちろん、リスクはゼロではありません。手術時間が長くなったり、無理に広範囲を一気に吸引しようとすれば、体への負担は増します。 だからこそ、以下の2点が重要になります。

  1. 無理のない計画:小範囲・短時間で体に負担をかけない
  2. 解剖学の熟知:血管や神経の位置を正確に把握している医師が執刀する

脂肪吸引=怖いではなく、脂肪吸引=正しい知識と技術があれば、人生を明るくする安全な手段です。 不安な点があれば、まずはカウンセリングで「リスク」についてもしっかりご質問ください。包み隠さずお答えします。

Q&A(よくある質問)

Q1. 脂肪吸引の死亡率はどのくらいですか?

A. 過去の統計では0.019%(約5000人に1人)とされていましたが、技術が進歩した最新の医学論文(2017年)等のデータでは、単独手術における重篤な事故率はさらに低く報告されています。適切な医療機関で行えば、他の一般的な外科手術(盲腸や帝王切開など)と同等か、それ以上に安全な手術と言えます。

Q2. 脂肪吸引は危険な手術ですか?

A. いいえ、世界で年間190万件以上行われている、最も人気のある美容外科手術の一つです。ただし、医師の技術不足や、一度に大量の脂肪を取る無理な手術計画はリスクを高めます。解剖学を熟知した専門医の下で、適切な範囲・時間で行うことが安全の鍵です。

Q3. なぜ脂肪吸引には「怖い」イメージがあるのですか?

A. 飛行機事故と同様で、圧倒的多数の「成功した安全な手術」はニュースにならず、ごく一部の不適切な管理下で起きた事故だけが大きく報道されるためです。実際には確立された安全なメソッド(チューメセント法など)が存在します。

【参考文献】

[1] International Society of Aesthetic Plastic Surgery (ISAPS). Global Survey 2021.

[2] Grazer FM, de JongRH. Fatal outcomes from liposuction: census survey of cosmetic surgeons. Plast Reconstr Surg. 2000;105:436–446.

[3] Kaoutzanis C, et al. Cosmetic Liposuction: Preoperative Risk Factors, Major Complication Rates, and Safety of Combined Procedures. Aesthet Surg J. 2017;37(6):680-694.

この記事を書いた人

吉田 有希(Yuuki Yoshida) 形成外科専門医 / 美容外科(JSAPS)専門医
THE CLINIC 東京院 / BUST CLINIC / 埼玉医科大学 形成外科・美容外科

【経歴・人物】 日本専門医機構認定形成外科専門医。 現在はTHE CLINIC Tokyoにて、脂肪吸引・脂肪注入を中心としたボディデザイン診療を行う。

医師として臨床現場に立つ傍ら、「医学的に正確で、患者様が理解しやすい医療コンテンツ」の不足に課題を感じ、曖昧なネット情報に惑わされる患者様を減らすため、医学論文(一次情報)に基づいたエビデンスベースの発信を徹底している。

【保有資格・所属学会】

  • 日本専門医機構認定 形成外科専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)専門医
  • VASER認定医

【専門分野】

  • 形成外科全般
  • 脂肪吸引・脂肪注入(豊胸・エイジングケア)
  • 医療ダイエット・肥満症治療管理
  • 医療論文解説

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